2025年12月12日金曜日

中学校の授業で感じた、「学ぶ意味」とITの本質

先日、中学校で特別授業を担当させていただきました。

おうちのIT屋さんについてのお話をする機会でした。
そして、ITやAI、そして「学ぶことの意味」についてお話しする機会でもありました。
おうちのIT屋さんのミッションの一つには
若者に希望を持ってもらうという項目もあります。

開始前にひとつ小さなトラブルが起きました。
iPadとApple TVの接続がうまくいかなかったのです。

学校側には大きなモニターにPC接続ということで話が伝わっていて
ipadを持ちこみますという話が
現場の先生にまったく伝わっていませんでした。

実は正直に言うと、
私自身、Apple TVにiPadを接続する操作を普段やったことがありません。
内心では「これは初見だな」と少しドキドキしていました(笑)。

ただ、「やったことがない」だけで、焦りはありませんでした。
なぜなら、どういう仕組みで画面が映るのかは想像がついていたからです。

Apple TVは、iPadの画面をミラーリングする仕組みです。
勝手に映るものではなく、
・同じネットワークにいること
・iPad側から操作すること
といった条件があります。

そこで、その場で調べながら対応し、テザリングも使いつつ、
iPadのコントロールセンターからミラーリングを選択しました。
すると、無事に画面にパスコードが表示され、接続することができました。

この一連の流れを、教室の子どもたちはずっと見ていました。
「大人でも分からないことはある」
「でも、調べて考えれば乗り越えられる」
そんな様子が、そのまま伝わったのではないかと思います。


授業の後半では、AIを使って作成した資料(インフォグラフィック)を見せて、
こんな質問をしました。

「これ、どうやって作ったか分かる人はいますか?」

誰も手は挙がりませんでしたが、
教室の空気が少し変わったのを感じました。

そこで、こんな話をしました。

AIは今、とても便利で、さまざまなことができるようになっています。
しかし、簡単に聞くだけで、こうした成果物が出てくるわけではありません。

大事なのは、
「何を聞くか」
「どう聞くか」
つまり、質問の質です。

そして、この「質問する力」は、
やはり学校の勉強でしか身につかないと私は考えています。

夜中の2時までガリガリ勉強しろ、という話ではありません。
でも、最低限の勉強をしていなければ、
AIに何をどう聞けばいいのか分からないのです。

この話をしたとき、
一人の生徒が、強く何度も頷いていました。
その姿が、とても印象に残っています。


今回の出来事を通して、改めて感じたのは、
ITにおいて本当に大切なのは「操作を知っているかどうか」ではなく、
仕組みを理解しているかどうかだということです。

ネットワーク
アカウント
同一LAN
権限
因果関係

こうした基本的な構造が分かっていれば、
初めて触る機器やサービスでも、応用して考えることができます。

おうちのIT屋さんでは、
「この操作はこうしてください」という説明だけでなく、
なぜそうなるのかを一緒に考えることを大切にしています。

年齢や職業、ITが得意かどうかに関係なく、
仕組みが分かれば、誰でも一歩前に進める。

今回の中学校での授業は、
私自身にとっても、
「学ぶことの意味」とITの本質を、あらためて実感する時間になりました。

これからも、
「わからない」を一緒にほどくIT屋さんとして、
地域の中で役に立てる存在でありたいと思います。

2025年12月9日火曜日

無謀な引き継ぎで困り果てた女性を救った、Excelトラブル解決の話

ある日、一本の電話がありました。

「急に前任者の業務を全部引き継ぐことになってしまって…
VBAを使えばできると聞いたので、教えてもらえませんか?」

声のトーンからも、
相当追い込まれているのが伝わりました。

  • マニュアルなし

  • 手書きデータと前任者の頭の中にデータベースが存在

  • 複雑な処理だけを丸投げされている

まさに 無謀な引き継ぎ です。


■ 「VBAでないと無理かも…」と不安げな相談

彼女いわく、調べたら

VBAを使えばできるかもとの話。

でも、話を聞くほど
“VBA以前の問題” のように感じた私は、

「もしかして VLOOKUP でいけるのでは?」

という直感が湧きました。


■ 教室では XLOOKUP で簡単に解決! …のはずが

実際に教室でファイルを見せてもらうと、
やはり XLOOKUP なら一発で解決する内容

設定してみせると、画面上ではスムーズに動きました。

しかし…


■ 会社のPCが古くて XLOOKUP が使えない

翌日、彼女からメッセージ。

「会社のパソコンでは動かないんです…」

調べると、会社のExcelは Office 2019
このバージョンは XLOOKUPに非対応

つまり、せっかく教室で動いた方法が
職場では使えないという「職場あるある」問題です。

本人はさらに落ち込み気味…。


■ 最終手段:INDEX と MATCH の合わせ技でオンライン解決!

そこで私は、古いExcelでも動く
“現場の最強コンビ” を提案しました。

INDEX+MATCH 関数

これなら
XLOOKUPがなくても完全に同じ結果が出せる。

オンラインで設定を一緒に確認しながら進めると…

「動きました!!」
「これで会社のパソコンでも大丈夫です!」

と、ぱぁっと顔が明るくなりました。


■ 最初は不安でいっぱいだった彼女が、最後には笑顔に

電話をくれたときの彼女は、

  • 引き継ぎでパニック

  • 手書きデータの独特さに不安

  • VBAと言われて怯えている

  • 職場では相談相手もいない

  • 時間に追われている

という状態でした。

でも最後は、
表情も声もすっかり明るくなって、

「本当に助かりました!
これで仕事が回せます…!」

と言ってくれました。

こういう瞬間が、私の仕事の一番のご褒美です。


■ Excelの問題は「スキル不足」ではなく「環境問題」のことが多い

今回のように、

  • 新しい関数が使えない

  • 会社のPCが古い

  • 前任者のやり方が属人化

  • 引き継ぎが無茶ぶり

こうした “環境のせいでできない” というケースが非常に多いです。

だから、
「自分が悪い」
「できない私はダメだ」
と思わなくて大丈夫。

必要なのは、
正しい方法と、あなたの環境に合った設定だけ。


■ 同じように困っている方へ

VLOOKUPが合わない、
XLOOKUPが使えない、
引き継ぎが無茶ぶり、
誰にも聞けない…

そんなときは、どうか1人で悩まないでください。

あなたの環境に合わせた“実務で使える形”で
必ず解決します。

2025年11月10日月曜日

AI時代、企業の在り方が少しずつ変わっていく中で

 ここ数年で、AIの進化は本当にめまぐるしいです。

でも、私はこの変化を「怖いもの」ではなく、「ゆっくりとした地殻変動」のように感じています。

効率化、自動化、生産性向上。
こうした言葉がよく聞かれるようになりましたが、
私は、それ以上に大切なのは「人の思考」や「現場の感性」だと思っています。

AIが得意なのは、“大量の処理”や“スピード”。
けれども、その結果をどう意味づけ、どう活かすかを考えるのは、いつだって人間の役目です。


地方の企業さんと一緒にお仕事をしていると、

「AIなんてまだうちには早い」と言われることがあります。
けれども、そんな企業こそ、
“今のうちに思考を柔らかくしておくこと”が大切だと感じています。

AIを使いこなす、というよりも、
AIと共に考える。
それが、これからの企業に求められる姿勢なのかもしれません。


私自身、今はまだ大きなことを断言する段階ではありません。
けれども、3年後と言わず、1年後、半年後を見据えたとき、

確実に「人とAIが共に働く」時代が根づいていると感じています。

おうちのIT屋さんは、
そんな“変化の波”を静かに整えながら、
地域の企業さんの思考をアップデートしていくお手伝いをしていきたいと思います。


AIは人を置き換えるためのものではなく、
人の思考を映す鏡である。

その鏡に、あなたの会社の未来が少しでも映るように。
今日も現場で、ゆっくりと観測を続けています。

#AI時代の企業 #地方創生 #おうちのIT屋さん #ITサポート #地域のIT応援団



2025年11月4日火曜日

ドコモショップでも直らなかった“消えるSMS問題”を解決!

先日、らくらくフォン使用のお客様から
「メッセージを読むと(既読になると)消えてしまう」
というご相談をいただきました。
確かに見ると、いくつか特定の相手とのやり取りで
相手の方のテキストが消えていました。

らくらくフォン・・・らくらくのつもりが、「難しいフォン」です。
簡単に設定変更できないし、アプリの管理も難しい。
高齢者のためのスマホが、一番難易度の高い機種となっている現状です。

お客様はすでにドコモショップにも相談されたそうですが、
原因が分からず解決できなかったとのことです。


状況を丁寧に観察

よーく端末を確認すると、「らくらくフォン純正SMSアプリ」と「+メッセージ」アプリの両方がインストールされている状態。
そして、規定のSMSアプリが純正アプリのままになっていたため、+メッセージ側で受信したデータが正しく表示されず、
結果的に「読んだら消える」という現象が起きていたようです。


原因を突き止め、根本から解決!

規定アプリを「+メッセージ」に変更すると、なんと過去のやり取りがすべて復活!
お客様からは「ドコモショップでも直らなかったのに…!」と、とても喜んでいただきました😊


おうちのIT屋さんからひとこと

スマートフォンの不具合には、設定やアプリの競合が関係しているケースも多くあります。
「初期化」や「機種変更」をせずに解決できる場合も少なくありません。

おうちのIT屋さんでは、一つひとつの現象を観察し、原因を丁寧に突き止めてから解決します。
地域のIT応援団として、皆さまの“困った”を“笑顔”に変えていきます。


📱 おうちのIT屋さん
地域のIT応援団
https://ouchinoit.com/

2025年9月30日火曜日

✨オンラインサロンを始めました✨

 

みなさん、こんにちは。

おうちのIT屋さん店主です。


このたび、新しく 「オンラインサロン」 をスタートしました!

「もっと気軽にITやAIを学びたい」「通う時間はないけど情報は欲しい」という声から生まれたサービスです。





💡 オンラインサロンでできること



  • 会員専用ページから、限定動画や学習プリントをダウンロード
  • ITやAIの便利ワザ・最新情報を定期的にお届け
  • 過去に配信したコンテンツもアーカイブで見放題
  • 簡単なご質問にも対応予定(オンライン限定)






💰 料金



月額 1,650円(税込)

内容をグレードアップし、月額5,500円に改定いたしました
詳しくは改定のお知らせをご覧ください

教室に通うのが難しい方や、すき間時間で学びたい方にピッタリです。





🎯 こんな方におすすめ



  • スマホやPCをもっと便利に使いたい
  • ChatGPTやAIの活用法を知りたい
  • 教室に行くほどではないけれど、学びは続けたい





「オンラインサロン」は、教室とはまた違う“ゆるく学べる居場所”として運営していきます。

ご興味のある方はぜひご参加ください!


👉 お申し込みはこちらから:https://www.kaihipay.jp/forms?form_code=4960221950588407


2025年8月16日土曜日

note始めました

最近量子観測の話題が多くなり
実際の店舗の様子とは少し離れてしまったため
量子観測などの話題は、noteへ投稿することにいたしました
量子学やAI、CTMU理論など、もし興味のある方いらっしゃいましたら
フォローよろしくお願いいたします!😁

noteはこちらです
おうちのIT屋さん店主のnote

2025年8月13日水曜日

水に絵の具を垂らすモデルによる観測者依存型現実生成の考察

 

要旨(Abstract)

本稿では、量子力学における「観測者依存性」を日常的比喩で表現した「水に絵の具を垂らすモデル」を提示する。
このモデルは、観測行為や情報伝達を「水面に垂らされた絵の具」として捉え、観測者ごとの主観的宇宙で異なる模様(結果)が生成されることを示す。特に、同一条件下での同一質問に対しても、質問者が異なれば応答が異なる現象を、量子的相互作用と類比して説明する。


序論(Introduction)

量子力学の「重ね合わせ」や「波束の収束」は、通常、第三者による観測の瞬間に状態が確定するものとして説明される。しかし、本モデルでは、他者が観測した現象も、自身が観測するまでは自己の宇宙内では未確定であるとする立場を採用する。この視点は、物理学的アプローチとスピリチュアル的認識の中間領域に位置づけられる。


方法(Methodology)

本モデルでは以下の対応関係を用いる。

現象比喩
観測者の宇宙         水
新しい情報・出来事         絵の具
観測行為         絵の具を垂らす動作
情報伝達の媒介              フォトン(光子)と電子(エレクトロン)

質問や出来事は「絵の具」として水面に投入される。同じ色・同じ量の絵の具を、同じ条件で垂らしても、水質や温度、微細な流れ(観測者の状態)によって模様は異なる。


考察(Discussion)

このモデルは、AIとの対話においても適用可能である。
同一の質問文を異なる人物が入力しても、返答が異なる場合がある。これは単なる乱数的変動ではなく、質問者の持つ情報・感情・背景(量子的波)がフォトンを介して応答生成に影響を与えている可能性を示唆する。

物理学者や技術者の一部は、この現象を今後、意識や観測者依存の科学的モデルとして検証することになるだろう。本モデルはその橋渡しの概念となり得る。


結論(Conclusion)

「水に絵の具を垂らすモデル」は、観測者依存型現実生成を視覚的かつ直感的に説明できる比喩である。本モデルを通じて、物理学的視点と主観的宇宙論を接続し、科学者と非科学者の対話を促進できる可能性がある。


※本稿は学術的検証を目的とするものではなく、概念的フレームワークの提示である。



この記事はnoteで公開しております
https://note.com/ouchinoit/n/nbb3d2de90bf0


中学校の授業で感じた、「学ぶ意味」とITの本質

先日、中学校で特別授業を担当させていただきました。 おうちのIT屋さんについてのお話をする機会でした。 そして、ITやAI、そして「学ぶことの意味」についてお話しする機会でもありました。 おうちのIT屋さんのミッションの一つには 若者に希望を持ってもらうという項目もあります。 開...