先日、中学校で特別授業を担当させていただきました。
おうちのIT屋さんについてのお話をする機会でした。
そして、ITやAI、そして「学ぶことの意味」についてお話しする機会でもありました。
おうちのIT屋さんのミッションの一つには
若者に希望を持ってもらうという項目もあります。
開始前にひとつ小さなトラブルが起きました。
iPadとApple TVの接続がうまくいかなかったのです。
学校側には大きなモニターにPC接続ということで話が伝わっていて
ipadを持ちこみますという話が
現場の先生にまったく伝わっていませんでした。
実は正直に言うと、
私自身、Apple TVにiPadを接続する操作を普段やったことがありません。
内心では「これは初見だな」と少しドキドキしていました(笑)。
ただ、「やったことがない」だけで、焦りはありませんでした。
なぜなら、どういう仕組みで画面が映るのかは想像がついていたからです。
Apple TVは、iPadの画面をミラーリングする仕組みです。
勝手に映るものではなく、
・同じネットワークにいること
・iPad側から操作すること
といった条件があります。
そこで、その場で調べながら対応し、テザリングも使いつつ、
iPadのコントロールセンターからミラーリングを選択しました。
すると、無事に画面にパスコードが表示され、接続することができました。
この一連の流れを、教室の子どもたちはずっと見ていました。
「大人でも分からないことはある」
「でも、調べて考えれば乗り越えられる」
そんな様子が、そのまま伝わったのではないかと思います。
授業の後半では、AIを使って作成した資料(インフォグラフィック)を見せて、
こんな質問をしました。
「これ、どうやって作ったか分かる人はいますか?」
誰も手は挙がりませんでしたが、
教室の空気が少し変わったのを感じました。
そこで、こんな話をしました。
AIは今、とても便利で、さまざまなことができるようになっています。
しかし、簡単に聞くだけで、こうした成果物が出てくるわけではありません。
大事なのは、
「何を聞くか」
「どう聞くか」
つまり、質問の質です。
そして、この「質問する力」は、
やはり学校の勉強でしか身につかないと私は考えています。
夜中の2時までガリガリ勉強しろ、という話ではありません。
でも、最低限の勉強をしていなければ、
AIに何をどう聞けばいいのか分からないのです。
この話をしたとき、
一人の生徒が、強く何度も頷いていました。
その姿が、とても印象に残っています。
今回の出来事を通して、改めて感じたのは、
ITにおいて本当に大切なのは「操作を知っているかどうか」ではなく、
仕組みを理解しているかどうかだということです。
ネットワーク
アカウント
同一LAN
権限
因果関係
こうした基本的な構造が分かっていれば、
初めて触る機器やサービスでも、応用して考えることができます。
おうちのIT屋さんでは、
「この操作はこうしてください」という説明だけでなく、
なぜそうなるのかを一緒に考えることを大切にしています。
年齢や職業、ITが得意かどうかに関係なく、
仕組みが分かれば、誰でも一歩前に進める。
今回の中学校での授業は、
私自身にとっても、
「学ぶことの意味」とITの本質を、あらためて実感する時間になりました。
これからも、
「わからない」を一緒にほどくIT屋さんとして、
地域の中で役に立てる存在でありたいと思います。
