最近、ホームページや広告を見ていて、ちょっと思うことがあります。
「ああ、これもAIで作った感じだな」
もちろん、AIを仕事で使っている私が言うのも変な話なのですが(笑)。
最近は、AIを使えば、かなりきれいなデザインを短時間で作れるようになりました。
整ったレイアウト。
きれいなグラデーション。
丸みのあるカード。
それっぽいイラスト。
大きなキャッチコピー。
どれも、とてもきれいです。
でも、あまりにも同じようなものをたくさん見るようになって、最近は少しだけ、うんざりしてきました。
「きれい」なのに、なぜか印象に残らない
これはAIが悪いという話ではありません。
AIを使えば、デザインの知識がそれほどなくても、一定以上のものを作れるようになった。
これは、とても大きな進歩だと思います。
一方で、みんなが同じようなAIやテンプレートを使えば、
「どこかで見たようなデザイン」
も増えていきます。
きれいだけれど、誰が作ったのかわからない。
会社のホームページなのに、その会社の人の顔が見えてこない。
そんなものも増えてきたように感じます。
そんな中、Claudeを提供しているAnthropicが、AIで作ったものが似たような見た目になってしまう問題を意識し、もっと個性的なデザインを作りやすくする方向へ進んでいる、という話を知りました。
これは面白いなと思いました。
AIが普及して、
「AIでデザインを作れるようになった」
その次に、
「AIっぽくないものを、どう作るか」
という段階に入ってきたのかもしれません。
なんだか不思議な話です。
最近、「手作り感」にホッとする
そんなこともあって、最近の私は、少し不格好でも、人が作った感じのするホームページを見ると、妙に安心することがあります。
文字の置き方がちょっと独特だったり。
写真がプロっぽくなかったり。
店主さん自身が書いたであろう文章が載っていたり。
「あ、人がいる」
と感じるようになりました。
もちろん、見づらいホームページが良いという意味ではありません。
ただ、完璧に整いすぎていないことが、逆に「本当にこの人がやっているんだな」という安心感につながることもある。
AIが当たり前になったからこそ、人間らしい「クセ」が価値になるのかもしれません。
そして、ちょっと怖い話もあります
先日、架空と思しき琵琶湖の花火大会のHPが公開され、AIで作られた情報が大量に盛り込まれたコンテンツを見て、実際に騙されてしまった人が発生した、という事例を知りました。
文章もある。
写真もある。動画もある。
もっともらしい説明もある。
検索すると出てくる。
ここまで揃っていたら、
「これは本当の情報だろう」
と思ってしまう人がいても不思議ではありません。
生成AIによって、文章だけではなく、画像や動画、音声まで簡単に作れるようになっています。
これからは、見た目がきれいだから信用できる、検索で上に出てきたから信用できる、詳しく書いてあるから信用できる、という判断だけでは難しくなっていくでしょう。
「本物っぽい」と「本物」は違う
AIは、「本物っぽいもの」を作るのがとても得意です。
そして、その精度はこれからもっと上がっていきます。
だからこそ私たち人間側には、
これは誰が発信しているのか?
公式情報はどこにあるのか?
ほかの情報源でも確認できるのか?
と、一度立ち止まって確認する習慣が必要になります。
これは、AIを使わない人にも関係のある話です。
自分がAIを使っていなくても、インターネットの向こう側では、すでにAIが大量に使われているからです。
AI時代だからこそ、人間が見えるものを
私はAIを仕事でも使っていますし、これからも使います。
便利ですし、人間だけではできなかったことを実現してくれる、とても面白い技術だと思っています。
でも、何でもAIできれいに整えればいい、とは思わなくなってきました。
少しくらいクセがあってもいい。
手作り感があってもいい。
そこにいる人の考え方や、人柄が見えてもいい。
むしろAIで「それっぽいもの」を大量に作れる時代だからこそ、
「誰が、何を考えて、これを作ったのか」
が、これまで以上に大切になるのかもしれません。
そして情報を見る側にも、「きれいだから」「それっぽいから」だけでは信用しない力が必要になっていく。
AIが進化するほど、人間らしさと情報リテラシーの価値も、いっしょに上がっていくのではないでしょうか。
おうちのIT屋さんでは、AIの使い方だけではなく、インターネットやクラウド、アカウント、セキュリティなど、これからのデジタル社会を安全に使うための基本についてもお伝えしています。
「AIを使えるようになる」だけではなく、
AIが当たり前に存在する世界で、どう情報を見て、どう判断するのか。
そんなことも、これから一緒に学んでいけたらと思っています。




