2025年12月29日月曜日

Microsoftアカウントで詰む瞬間

年末になると、なぜか増えるITトラブル。

今回も、いわゆる「よくある話」なのですが、構造を知らないと一気に詰むケースだったので、記録として残します。

起きていた状況

  • Microsoftアカウントへのサインインを求められる

  • パスワードが分からない

  • パスワードリセットを試みたが、アカウントがロック

  • SMSが届かず、本人確認ができない

  • officeの認証が完璧でなくoutlookが使えない

初期設定を誰が行ったか確認すると、別のパソコン修理業者とのこと。

その業者に確認していただいたところ

「パスワードは控えていない。
何回か入れ直したんじゃなかったっけ?」

とのお話だったとのこと。 

……この一言で、原因はほぼ確定しました。

なぜ詰んだのか(原因)

今回のポイントは3つです。

① アカウント情報が記録されていない

Microsoftアカウントは

  • Windowsログイン

  • Office

  • OneDrive
    などに紐づく重要なデジタル資産です。

これを
「記憶頼り」「控えなし」で扱うと、トラブル時に復旧できません。

② PINコード未設定

「詳しい人ならPINはいらない」という話を聞くことがありますが、
PINコードは保険です

PINコードがないと、本人確認の選択肢が減り、
今回のようにパスワードリセットすらできなくなることがあります。

③ Microsoftの仕様(30日ルール)

Microsoftでは、セキュリティ情報を書き換えた場合にも
30日間は変更が反映されません

つまり

  • 今すぐ直すことは不可

  • 仕様上、待つしかない

という状態でした。

おうちのIT屋さんの対応

今回は「修理」ではなく「診断」のため、診断料はいただいていません

その代わりに、A4一枚にまとめてお渡ししました。

記載した内容

  • 現在の状況と原因

  • 30日後に再トライしてみること

  • ロック解除できた場合の正規手順

  • それでもダメな場合の最終手段

    • データ抜き出し

    • 初期化

    • Microsoft Officeの再購入

あいまいな希望は持たせず、
現実的な選択肢をすべて可視化しています。

プロの仕事とは

ITの仕事は「直すこと」だけではありません。

  • 記録を残す

  • 詰まる未来を先に潰す

  • 責任の範囲を明確にする

これができて初めて、プロの仕事だと考えています。

動いているうちは問題が見えません。
でも、止まった瞬間に「設計の質」が露わになります。

最後に

パソコンやアカウントは、
「使えているから大丈夫」ではありません。

  • 控えてあるか

  • 復旧できる設計か

  • 誰が責任を持っているか

年末年始は特に、一度見直すことをおすすめします

おうちのIT屋さんでは、
売る前に、直す前に、まず構造を説明します

「今は動いているけど不安」
そんな方は、診断だけでもご相談ください。


2025年12月26日金曜日

光回線乗り換え後につながらない原因と、実際の対応事例

今回は、

AUひかりからdocomo光へ乗り換えた際の、
インターネット接続トラブル対応事例
をご紹介します。

一見すると「よくある回線切り替え」ですが、
実際の現場では 想定外の行き違い が起きやすいケースでした。

ご相談のきっかけ

家主さまは、ドコモショップで次のような案内を受けていました。

「ドコモのONUが届いたら、
今まで使っていた機器(AUのONU・光電話ルーター)と
入れ替えるだけで大丈夫です。
工事は不要です」

この説明を受けたうえで、
ONU交換作業の依頼として
「おうちのIT屋さん」にご相談がありました。


機器交換だけでは接続できなかった

案内どおり、ドコモのONUへ交換しましたが、
インターネットは接続できない状態でした。

AUひかりとdocomo光は、
同じ「光回線」でも 回線網や接続方式が異なります

そのため、
機器を入れ替えるだけでは完了しないケースがあり、
今回はその代表例でした。


ドコモショップへ再度同行し、工事を依頼

状況を確認した結果、
家主さまと一緒に 再度ドコモショップへ同行し、
改めて回線工事の依頼を行いました。

ドコモ側のシステム上では
「工事不要」という扱いでしたが、
実際の工事当日には 電柱からの工事が行われました。


工事完了後も接続不可

工事終了時、作業員の方からは次の説明がありました。

「ONUは問題ありません。
あとはルーターのインターネットランプが点灯すれば大丈夫です。
点灯しない場合は、プロバイダへ連絡してください」

この時点で、

  • ONUのインターネットランプ:点灯

  • 回線自体:正常

という状態でした。

つまり、
ルーター側の設定が未完了という判断になります。


ルーター設定の実施

ここからが、「おうちのIT屋さん」の対応です。

  • バッファロールーターにパソコンを有線LAN接続

  • ルーター管理画面へログイン

  • 接続方式を フレッツ光ネクスト(PPPoE) に設定

  • プロバイダから提供された
    接続ID・パスワードを入力

設定完了後、
ルーターの インターネットランプが点灯し、
無事にインターネット接続が復旧しました。


今回のポイント

今回のトラブルは、
機器の故障ではありませんでした。

  • 回線工事

  • プロバイダ認証

  • ルーター設定

この 「担当範囲の境界」 が曖昧なところで、
利用者さまが困ってしまうケースです。

実際、
最初のご案内から 接続完了まで約1か月 かかっています。

作業自体は数分でも、
そこにたどり着くまでが大変、という典型例でした。


おうちのIT屋さんから

回線の乗り換えや設定で、

  • 工事が終わったのに繋がらない

  • どこに連絡すればいいかわからない

  • 言われた通りやったのにうまくいかない

そんな時は、
「おうちのIT屋さん」にご相談ください。

専門用語を並べるのではなく、
状況を整理し、必要な作業を一つずつ行います。


2025年12月12日金曜日

中学校の授業で感じた、「学ぶ意味」とITの本質

先日、中学校の特別授業でお話させていただきました。

おうちのIT屋さんについてのお話をする機会でした。
そして、ITやAI、そして「学ぶことの意味」についてお話しする機会でもありました。

おうちのIT屋さんのミッションの一つには

若者に希望を持ってもらうという項目もあります。

開始前にひとつ小さなトラブルが起きました。
iPadとApple TVの接続がうまくいかなかったのです。

学校側には大きなモニターにPC接続ということで話が伝わっていて
ipadを持ちこみますという話が
現場の先生にまったく伝わっていませんでした。

実は正直に言うと、
私自身、Apple TVにiPadを接続する操作を普段やったことがありません。
内心では「これは初見だな」と少しドキドキしていました(笑)。

ただ、「やったことがない」だけで、焦りはありませんでした。
なぜなら、どういう仕組みで画面が映るのかは想像がついていたからです。

Apple TVは、iPadの画面をミラーリングする仕組みです。
勝手に映るものではなく、
・同じネットワークにいること
・iPad側から操作すること
といった条件があります。

そこで、その場で調べながら対応し、テザリングも使いつつ、
iPadのコントロールセンターからミラーリングを選択しました。
すると、無事に画面にパスコードが表示され、接続することができました。

この一連の流れを、教室の子どもたちはずっと見ていました。
「大人でも分からないことはある」
「でも、調べて考えれば乗り越えられる」
そんな様子が、そのまま伝わったのではないかと思います。


授業の後半では、AIを使って作成した資料(インフォグラフィック)を見せて、
こんな質問をしました。

「これ、どうやって作ったか分かる人はいますか?」

誰も手は挙がりませんでしたが、
教室の空気が少し変わったのを感じました。

そこで、こんな話をしました。

AIは今、とても便利で、さまざまなことができるようになっています。
しかし、簡単に聞くだけで、こうした成果物が出てくるわけではありません。

大事なのは、
「何を聞くか」
「どう聞くか」
つまり、質問の質です。

そして、この「質問する力」は、
やはり学校の勉強でしか身につかないと私は考えています。

夜中の2時までガリガリ勉強しろ、という話ではありません。
でも、最低限の勉強をしていなければ、
AIに何をどう聞けばいいのか分からないのです。

この話をしたとき、
一人の生徒が、強く何度も頷いていました。
その姿が、とても印象に残っています。


今回の出来事を通して、改めて感じたのは、
ITにおいて本当に大切なのは「操作を知っているかどうか」ではなく、
仕組みを理解しているかどうかだということです。

ネットワーク
アカウント
同一LAN
権限
因果関係

こうした基本的な構造が分かっていれば、
初めて触る機器やサービスでも、応用して考えることができます。

おうちのIT屋さんでは、
「この操作はこうしてください」という説明だけでなく、
なぜそうなるのかを一緒に考えることを大切にしています。

年齢や職業、ITが得意かどうかに関係なく、
仕組みが分かれば、誰でも一歩前に進める。

今回の中学校での授業は、
私自身にとっても、
「学ぶことの意味」とITの本質を、あらためて実感する時間になりました。

これからも、
「わからない」を一緒にほどくIT屋さんとして、
地域の中で役に立てる存在でありたいと思います。

2025年12月9日火曜日

無謀な引き継ぎで困り果てた女性を救った、Excelトラブル解決の話

ある日、一本の電話がありました。

「急に前任者の業務を全部引き継ぐことになってしまって…
VBAを使えばできると聞いたので、教えてもらえませんか?」

声のトーンからも、
相当追い込まれているのが伝わりました。

  • マニュアルなし

  • 手書きデータと前任者の頭の中にデータベースが存在

  • 複雑な処理だけを丸投げされている

まさに 無謀な引き継ぎ です。


■ 「VBAでないと無理かも…」と不安げな相談

彼女いわく、調べたら

VBAを使えばできるかもとの話。

でも、話を聞くほど
“VBA以前の問題” のように感じた私は、

「もしかして VLOOKUP でいけるのでは?」

という直感が湧きました。


■ 教室では XLOOKUP で簡単に解決! …のはずが

実際に教室でファイルを見せてもらうと、
やはり XLOOKUP なら一発で解決する内容

設定してみせると、画面上ではスムーズに動きました。

しかし…


■ 会社のPCが古くて XLOOKUP が使えない

翌日、彼女からメッセージ。

「会社のパソコンでは動かないんです…」

調べると、会社のExcelは Office 2019
このバージョンは XLOOKUPに非対応

つまり、せっかく教室で動いた方法が
職場では使えないという「職場あるある」問題です。

本人はさらに落ち込み気味…。


■ 最終手段:INDEX と MATCH の合わせ技でオンライン解決!

そこで私は、古いExcelでも動く
“現場の最強コンビ” を提案しました。

INDEX+MATCH 関数

これなら
XLOOKUPがなくても完全に同じ結果が出せる。

オンラインで設定を一緒に確認しながら進めると…

「動きました!!」
「これで会社のパソコンでも大丈夫です!」

と、ぱぁっと顔が明るくなりました。


■ 最初は不安でいっぱいだった彼女が、最後には笑顔に

電話をくれたときの彼女は、

  • 引き継ぎでパニック

  • 手書きデータの独特さに不安

  • VBAと言われて怯えている

  • 職場では相談相手もいない

  • 時間に追われている

という状態でした。

でも最後は、
表情も声もすっかり明るくなって、

「本当に助かりました!
これで仕事が回せます…!」

と言ってくれました。

こういう瞬間が、私の仕事の一番のご褒美です。


■ Excelの問題は「スキル不足」ではなく「環境問題」のことが多い

今回のように、

  • 新しい関数が使えない

  • 会社のPCが古い

  • 前任者のやり方が属人化

  • 引き継ぎが無茶ぶり

こうした “環境のせいでできない” というケースが非常に多いです。

だから、
「自分が悪い」
「できない私はダメだ」
と思わなくて大丈夫。

必要なのは、
正しい方法と、あなたの環境に合った設定だけ。


■ 同じように困っている方へ

VLOOKUPが合わない、
XLOOKUPが使えない、
引き継ぎが無茶ぶり、
誰にも聞けない…

そんなときは、どうか1人で悩まないでください。

あなたの環境に合わせた実務で使える形で
解決へ向かいます。

AI時代に必要なのは、プロンプトより“仕組み理解"

去年からプロンプト(AIに質問する文章)の書き方 を教える情報や講座を多く見かけます。 もちろん、プロンプトは大切です。 しかし、現場でITサポートやパソコン教室をしている立場から見ると、 どうしても強い違和感を覚える場面があります。 それは―― プロンプト以前に、理解しておくべ...